「ブログ」内の「スペイン南部」カテゴリ一連の続きになります。
今日はある意味今回の旅で一番書き残したかった話、国境超え。
アフリカ側スペインの飛び地、セウタの港の出口近くからもう早くもモロッコらしさが?
地元の人より少し遅れて出た私達に、タクシーの運ちゃんが寄ってくる。
基本寄ってくる人の話は聞かない。(トラブル回避に。)
ネットで読んでいた情報ではここから国境まではバスと。
バス停はどこかと探しながら歩いていると港の敷地を出てしまって、左右に伸びる広いがらんとした道…
こりゃ聞かなきゃ無理だなと、たまたまその辺にノリのいい若い3人の男性が座って、だべっていてくれたので聞いてみると
「バス停はだいぶ向こうだ、国境行くならタクシーだよ。」と雑談混じりに笑いながら教えてくれる。←これ、まだ日本の常識がそこそこ通じるスペイン人(^^)
え?!そうなの?またいきなり予定変更か〜。
港から出ていたバスが昔はあったのか、そんな何十分も歩くような所までネットに書いてた人は歩いていたのかわからないけど。
しゃあない、港に戻る。まだ景色はスペイン。髪のスカーフは少しでも、ぼられ防止に「駐在員の家族」ぐらいのつもりで(^_^;)
並んでいるタクシーに乗る。
15分ぐらいだったか7ユーロ乗って、日本でいう高速のインターチェンジみたいな所、
車線は4本、その両サイドに歩道があり、傾斜はない所、の手前で止まり、
右側の歩道を指差しここを行けと言われる。
どうやら歩道は右側が向こう行き、左側が手前に来る人と決まっているみたい。
料金を払って降りたあたりから、何やかやと人が私達に勧誘やら私語やら好き勝手なことを言ってきたように思う。
そう、これぐらい記憶があやふやになるほど、すごいんだ。
なんて言うか、日本人ならとりあえず誰でも一度はちょっとしたパニックになるんじゃないかっていう別世界。
モロッコを別の星と表現した友達も居たな。
旅人の間では有名な『世界三大うざい国』の洗礼を受け始める。
うざいと言うのは勧誘の度合い、音量、内容、スピード感、断ったあとの反応などいろいろをひっくるめてなんだと思う。
ちなみに三大の中でもダントツ1位はインド、2位がエジプトらしいので、モロッコはまだマシな方だとか。
色や質感の好みが違うのと、体弱いのもありリスキーなその2カ国には行ってませんが。
ほんでやね、そのタクシーの運ちゃんの言った幅1-2mの歩道へ入っていくのだけど、
いろんな人から声がかかり、私達にはまだイマイチどの人が公の役職の人で、どの人が悪い勧誘の人かがわからない。もうどう表現していいかわからない。
写真ダメと言っていた人も今思えば単なる一般人(ーー;)
出入国用らしき書類を渡してくる人がいて親が受け取りそうになってるから、
「あかんって、多分それ違う人!」
って言ってたら案の定いくらいくらって言ってきて私服で、突き返す。
よくわからないままガヤガヤ言ってる人の波に乗って進む。
親には「荷物(すられないよう)気をつけてよ!」と注意しながら。
ここ↓少し空いていて余裕のある場所。
うん、どー見てもスーツケースなんか持ってる人おらん^^;
ほっかむりして(モロッコのヒジャブという布を頭にかぶって)全身覆った服を着ている買い物帰りの女性たち、
いい人か悪い人かわかりにくい目の色をした男性たち、
あとごくたまに小さなリュックを背負ったスペインからの若い観光客だけ。
でかいバックパックの人すら居ない。
たいていどこでも見かける中国人ももちろんいない。
違和感たっぷり。なんでここにいるんやろ?と自分で不思議になるぐらい(笑)
その人らがすごい勢いで喋りながら、ワヤワヤガヤガヤ〜〜〜っと居る。で立ち止まって勧誘してくる人もいる。誰が何者か判断に慣れるのに暇がかかる。
そして、ここには秩序と言うものがなかった!!!
なんと国境やのに、それを突破してくる人がいる!!
密入国?!いや、ただの入って来たいだけ。何かしら用事はあるんだろけど。
歩道と車道の間に金網があって、なぜか車道側にも一般の人が何人もいて、その人が、
金網にドアがついた場所に立っている警官と怒鳴り合い、押し合い、無理矢理力づくで入ってくる!!!
その勢いで押され崩れ込んだアラブ女性が半泣きになって何か叫んでいる。
これが私達の目の前80センチほど。
慌てて巻き込まれないように母を下がらす。
スーツケースごと^^;
日本にもし陸続きの国境があっても、決してこうはならないだろう。
今まで何度か陸の国境を超えたことはあるけど、電車の中での車掌さんによる出入国手続きや、
県境みたいな看板だけの国境超えしかなかったなぁ。
でもここの修羅場っぷりは私がこんな写真を撮ってしまうほど^^;
少しは状況が伝わるかと敢えて載せてみる。こんなキョーレツな感じを20分ぐらい歩いたかなぁ。
でも親が拒否反応を示すかなあと心配したけど、面食らいながらも足を引っ張らないようにという気遣いもあるのか「個人旅行じゃないとこんな経験できひんしな」と言っていたので、まあ良かった。
私はこの状況に呆れを通り越してそろそろ笑えてきていた(笑)
そして帰国の人はノーチェックなのか?動いていく人並みから外れてやっと関所っぽい所に並ぶことになり、余裕ができたので、
起立性貧血持ちの私は一度しゃがんでこの写真。ここは金網じゃなくて壁やね。
壁の色は南欧風なのにね^^;ここに居るのは多分モロッコ人以外ばかり。
ここで制服の人が紙を渡してきたから受け取り教えられるように書いたら、
なんと、またお金って言ってくる(笑)
その言い方が正式な人の用紙代金とかで無いことは明らか。
えー、制服も信用したらあかんのー。
そりゃニセ警官とか聞くけどさあ、ここ出入国事務室の真ん前!そこにニセが居て商売成り立つって、もー野放し過ぎるんちゃうん?
でも取り締まりもキリがないのか、いや取り締まってる気配ないから完全自由経済ってゆーか…
この国の全ては商魂で成り立っているのかも^^;
でもまだモロッコ通貨持ってないし、ユーロのお札なんか見せたら痛い目遭うからそれは見せずに、小銭入れ見せて無いーって言ったら、さすがにそこは呆れて笑って許してくれた。
良かったよ、まだいい人で。悪質なのやとたぶん怒り出し、もう紙書いてるし返せずに大変そう。
撮影禁止とは書いてなかったけど、一応場所柄&イスラム系が多い中でカメラを上に上げるのはためらわれるので腰のあたりからだけど、これがその関所っぽい所。
で、やーーっと私らの番が来て、紙を出すと……
なんと!!!ここは入国場所で、先に出国スタンプを貰ってこいと???
う、うそでしょ……?
この長い道、またやるの???
そんな場所見当たらんかったで?タクシーの運ちゃんも教えてくれんかったよ?止められもしなかったぞ?
ここの人、白人やのにモロッコ入国場所なん?
し、仕方ない……
ちょっと動転してどうやって行ったか覚えてないけど、車道を案内されてか横断歩道的なものかで渡り反対側の戻る側の歩道へ。
そっちはガラ空き。この日18時からのラマダン期間直前で、モロッコの人は昼の店のあいてる間に食料を買い込み夜になってから食べるらしいので、
もしかしたらその買い込みとかで、日本の年の瀬的な非日常な混み具合だったのかもしれない。
まあ普段から夕方はこうなのかもしれないけど。。
ラマダン入っちゃうとみんな空腹でイライラして喧嘩が増えると言っていたので、これ以上そうなったらどうなるん?って思う。
宗教が原因で喧嘩が増えるってのは、いつも世界のニュースを見てどうかと思うのだけど…。
空いてるスペインへ向かう方を歩き、また関所に当たりパスポートを出す。
すると事情を把握しはるのに少しかかったみたいで、
陸路でセウタでユーロ圏に入るというスタンプを一度押され、
違うとわかって手書きボールペン二本の訂正線付きという貴重なもの頂きました!
前にドイツでTAXリファンドの関係で同じ空港内で同じ日に、2度出入国を繰り返すって言う怪しまれるスタンプがあったけど、それ以上の珍しさかも。
そして不思議なことにこの場所でスペインの出国スタンプも押してもらった。
入国場所のはずなのに、そのスタンプあるのね。
で、また車道と段差のあるインターチェンジみたいなとこを3回乗り越え渡り、振り出しに戻る。
そしたらどうやら出国手続き場所は表示も何もなくひっそりあり、さっきの激しい人の流れに飲み込まれてたら気づかないような感じで歩道の右側にあったらしい(T_T)
今度は空いてるのでほっといても出国場所で止められる。
さっきも止めてくれてたら……(ーー;)
またたくさん歩いてさっきの紙を出し入国を今度は無事できた。
手間を省きたい人は、もし国境を超えてくれるタクシーってのが見つかればそれがスムーズかも。私は歩いて渡りたかったからいいんだけど。
そーいや、もうこの国境で1時間位は経っていて、その間殆どしゃがんで休憩もできず、トイレもなくて、
疲れて慌ただしかったから、モロッコに初入国した感動とか一切感じなかった^^;
それどころか次どうするよ?!な出口…
それはまた次回。
でもこの国境超えは、体力的にはきつかったけど、長い私の旅行歴の中でも1、2を争うネタかな〜と密かに楽しんでもいたのはここだけの話?
ちなみに争った話はベリーダンスの衣装試着中に触られたとか、トルコ旅行中のバス話や、未公開のスウェーデン飛行機話、アマゾン限定発売の『30人30旅』本に載せた話など。いつか写真に合わせて出てくるのかな〜。
今回は写真撮りづらい回でしたが脳内イメージ膨らませてもらえたでしょうか〜?
疑似体験で疲れた方は一息お茶を(笑)
今後行く予定の方は、ネット上で私が見たページには、ここは「国境を15分ぐらい歩いて超える」としか書かれて無かった!!ので、これが参考になれば(^^)